ひとりごと

ボケとう場合、ちゃうと思うで。

阪神タイガースが強い。この原稿を書いている時点(5月2日)でも、まだ首位独走中だ。景気低迷中(?)の世にあって、関西人はタイガースとUSJのおかげでなんだか元気だ。わがまち尼崎を見回してみても、優勝すれば金利を7.7倍にする信用金庫の商品が好調だとか、阪神景気に乗っかろうという商店街のニュースが聞こえてくる。ええことやおまへんか。

不景気で生活が困窮。4月の完全失業率は5.2%で過去最高。そんな記事と一緒に、今年のゴールデンウィークの総旅行人数は史上第2位の高水準を維持する見通し、と新聞が書く。

長年アフガニスタン現地で医療や井戸掘りなどをして人々の命を救っているペシャワール会の中村哲医師の話が3月24日尼崎市労働福祉会館であった。彼が日本に帰国したとき「景気が悪くて失業率が増加し大変なんです」と聞き「そうですかそれは大変そうだ。で、餓死者は何人でたのです?」と尋ねたら「いや餓死者は出てません」と言われたと苦笑されていた。

こんないまのニッポンをひと言で表すと「本格的平和ボケの時代」というのだそうだ。失業も景気も戦争も飢餓も環境問題も、自分の身に火の粉がふりかからないうちは無関心、無責任に放置したまま。「あほちゃうか」で済むお茶目なボケならいいが、いままた有事法制関連3法などという無邪気な大ボケを唱える者がいる。阪神タイガースとワールドカップのニュースの陰に隠れて政府は法案をこそっとスルーパスしようとしているようだが、ここはしっかりとツッコミ入れるのが関西人の流儀とちゃうやろか。

ペシャワール会ホームページ


ハタタカユキ

1964年神戸市生まれ フリーランス・プランナー