南部再発見 43℃の天然温泉が湧いた
知る人ぞ知るディープサウスの魅力
明治20年の創業から現在で4代目の湯場。尼崎築地で脈々と受け継がれてきた銭湯「築地戎湯」が4月にリニューアルオープンした。全国的に銭湯が減りつつあるなか「日本人にとって歴史ある銭湯というスタイルがすたれるはずがない」と一念発起したのは4代目辻野兼司さん(64)。震災からの復興を機に温泉の掘削にとりかかった。「親には反対されましたよ。変な業者に騙されてるんとちゃうか、なんてね」。歴史ある銭湯での挑戦について話す。
眺めてよし、入ってもよし。「尼崎屈指のレベル!」とMASAYAさんも絶賛の露天風呂
築地の古い町並みに合った雰囲気の外観
16才から働いてきた辻野さんは戎湯4代目。現在奥さんと息子さん、娘さんの心強いサポートで「文字どおり家族経営です」
43℃で湧き出る天然温泉とご主人こだわりの露天風呂。5代目となる長男と一緒にこれからの銭湯について考えたという。土日祝は朝7時からの「朝風呂」をはじめた。24席ある飲食スペースにはラーメン、枝豆、生ビール、ソフトクリームといったメニューが並ぶ。駐車場完備ということもあり大阪や神戸から足を運ぶ客の姿も見られる。アマの「銭湯ウォッチャー」ことMASAYAさんは浴槽の配置に注目する。「脱衣場から露天風呂が真正面に見えるという配置が珍しいです。リラックスできる場所を提供していることを強烈に意思表示しています」。これからの銭湯はリラクゼーションの施設としての評価が大切だと指摘する。
建物の外観は、築地復興事業のコンセプトである「城下町」の面影を再現している。さらに『築地戎湯』の屋号にはまちへのこだわりが込められている。「うちに来るのをきっかけに、築地のことを少しでも知ってもらえたら…。まちが元気になってこそ商売も繁盛するってもんですよ」
湯あそびひろば 築地戎湯
築地本町2-40 06(6481)5019
平日 10~24時 土日祝 7~24時
大人 340円 サウナ 280円