尼的観光地図(マップ) 第11回【東難波町・西難波町】

尼崎南部を旅人気分で歩いてみた。

尼のナニワで出会ったフランスのスポーツ ペタンク

「難波」の字面をみると、大半の人は大阪ミナミの「なんば」を思い浮かべるかもしれない。

全国に「難波」を含む地名は14件あるが、「なにわ」と読ませるのはここ尼崎の東・西難波町だけである。

梅林で知られるこの町で、地名や店名に梅の記憶を辿りながら区画整理された小奇麗な住宅街を歩くと、北難波公園で見たことのないスポーツが繰り広げられている。何をしているのかと尋ねると、「ペタンク」というフランスのスポーツだと教えてくれた。

1 毎週木曜はペタンクの日
北難波公園では毎週木曜日にペタンクを開催。「いろんな人に気軽に参加してほしい」とにこやかに答えるスポーツ推進委員の岩田さん(写真右端)
2 トゥームレイダー!?
細長い敷地の北難波公園には、公園を間仕切るように墓地が立地する。鬱蒼と茂る樹木に呑みこまれた墓石もあり、遺跡のような迫力が。映画の舞台となる日も近い!?
3 ほんのりスピリチュアル
難波町にはお寺や神社・教会などの施設が混在する。遠方に出向かずともパワースポットは意外と私たちの身近にあるはず。
4 あまの安全まもるちゃん
梅香小学校前にたたずむ像。「安全をまもる子」にしては気の抜けた表情だが、無の境地が成立する世の中こそが安全の象徴なのだ!(と無理やり解釈)

800グラムほどの掌サイズの玉を、最初に投じた小さなカラーボールに近づける簡単なルールで、より近くに投げた球数により得られた点の合計をチームに分かれて競い合う球技だ。

「厳格なルールもあるけど、みんなが楽しんでくれたらそれでいい」と話す岩田さんは、突然現れた私に嫌な顔一つせず、「一緒にやりませんか?」と暖かい声を掛けてくれた。

飛び入り参加の私が投じるボールにも、全員が注目し、一緒になって一喜一憂。延長戦にまで及ぶ接戦だった。最後に、ボールの周囲に全員が集まり得点を確かめ合う瞬間、ナニワの公園は、フランス文化が微かに香る陽気な空気に包まれた。

旅のおみやげ

「なにわのはちまんさん」と親しまれる難波八幡神社。祈願したいことは山ほどあるが、今回は神社名が刺繍された学業成就の御守りを購入。


写真・文/でぐちひろこ
大阪工業大学工学部建築学科博士後期課程 鶴瓶さんのように家族に乾杯しまくる旅人になりたいです。