特集:だんじり男子
知らずに観れるか!だんじりの基本貴布禰だんじり 怒濤の3days 7/31-8/2
来場者数8万人、尼崎最大の祭り、貴布禰神社の夏祭り。尼崎の風物詩ともいえるだんじり祭りだが、あまりの混雑ぶりに躊躇したり、沿道の夜店に夢中になって、祭りそのものを観たことがない人も多いはず。今回の特集では、これまで知っているようで知らなかった尼崎貴布禰のだんじりに注目し、日本でも珍しい山合わせの魅力を徹底解説。まずは祭りの流れから。
7月31日の夕方になると、各町のだんじりが町内を曳行する。「町内廻り」と称して明日から始まる祭りを地元に告げる、いわば前夜祭だ。夜10時まで、だんじり男たちは1年ぶりの感触を確かめながらボルテージを徐々に高め、各町の会館で夜を明かす。
8月1日、宵宮の朝。貴布禰神社宮司が、各町を廻ってお祓いを執り行う。祭りの無事と安全を祈願し、大阪打ちの手拍子でいよいよ本番スタートだ。お囃子を鳴り響かせながら、10時頃から夕方5時まで一日中、尼崎の街を練り歩く。地域の商店や住民からのご祝儀が寄せられるのもこの時だ。
夕方5時には阪神尼崎駅南の高層マンション「さきタワー」前に8台のだんじりと1台の太皷が集結する。ここから夜7時30分の宮入り時間に向けて、貴布禰神社へと向かう盛大なパレードがはじまる。
宮入りのトップを飾るのは辰己太皷(境内で暴れるその姿はP12で解説)。その後、すべてのだんじりが宮入りして長い初日が終わる。
8月2日、本宮。この日も朝10時の宮出しから夕方にかけて町中を練り歩く。夜の山合わせに向けて、だんじりを曳く男たちの一体感を盛り上げていく。
夕方6時。貴布禰神社西側の道路に8台が再び集結する。ここが、日本でも類をみない「山合わせ」の会場。戦いの舞台となる。事前にくじ引きで決められた取り組み表に沿って、16回戦が繰り広げられる。お囃子が鳴り響き、会場のムードは最高潮を迎える中、各町のプライドがぶつかり合う。
激闘の余韻にひたることもなく、深夜0時、総勢100人の男たちが町中を掃除しながら、来年の祭りに想いをはせる。すべては山合わせの瞬間にために。彼らの1年が、この日からまたはじまる。
観るなら必携!公式パンフレット
保存会が毎年発行するだんじり祭公式パンフレットは、地車パレードのコースや保存会役員の顔写真紹介など盛りだくさん。今年はだんじりを彩る彫り物がカラーグラビアで紹介されている。この豪華な冊子がなんと無料。貴布禰神社や尼崎まちのみどころ案内所(阪神尼崎駅北JTB尼崎支店内)でもらえる。
特集取材=若狭健作 綱本武雄 大迫力 香山明子 立石孝裕 北原のぞみ 永井純一
取材協力=貴布禰神社 貴布禰太皷地車保存会