ヒトリゴト…
夢のような自転車を手に入れた。
そりゃもう、まるで、雲にまたがってる様な気分になれる自転車だ。こいつに乗れば、何処までも走って行ける…そう思って、先日尼崎から灘まで、片道約30kmのサイクリングへ。
自動車の少ない道を選んで、海沿いを走ったり、路地を抜けたりしながら2時間ぐらいかけて目的地の兵庫県立美術館に到着した。
とにかく軽い。全くお尻が痛くならない。前輪のフォークはともかく、サドルにまでサスペンションが付いているところが凄い。それだけ、と言えばそれだけなんだけど、そういった自転車にはなかなかお目にかからない。それだけの事で、これ程の違いを体感出来るのだ。もうこれは自転車ではなく、別の乗り物とも思える。
しかし、店のおばちゃんに言わせると、「これが自転車なんだよ」との弁。そんな素敵なサイクルショップが、実はこの尼崎にはある。遠くは北海道や沖縄から、“一台の自転車を買う為に”訪れる人がいるような店だ。
尼崎から西宮市、芦屋市を抜けて神戸市まで走ってみると、地域によって道路の整備状況が良く分かる。西宮市は、とにかく自転車が走りやすい街だ。自転車の走りやすさも道路計画に盛り込まれているかのようだ。それに比べて我が尼崎市の自転車交通事情はお粗末なものと言わざるを得ない。東西の幹線道路沿いは一部サイクルロードがあるが、南北には殆ど無い(と思う)。走ってみると、尼崎市内なら何処でも自転車で行ける範囲なのに、みんな車に乗るのは、一つには道路事情にも起因しているのではないだろうか。
環境の世紀と言われて久しい。公害訴訟で大型車を規制するのも良いけど、みんながもっと自転車を活用して、車に乗る回数を少しずつでも減らせば…。みんなの力って実は凄い。言ってみれば、大型車を走り回らせてるのは、消費者一人一人の要求でもあるのだ。
この尼崎市には「西日本一」とまで言われるサイクルショップがあるんだから、道路事情も、みんなの意識も、もっと自転車を見直す方向に向けば良いなぁ、と思う。
森上 恒(もりかみ ひさし)
1970年神奈川県生まれ 株式会社 日本セメント防水剤製造所代表取締役 趣味はスキー、ボクシング、ウィンドサーフィン