メガネ、メガネ… vol.5 椅子【いす】
連続する写真と妄想に酔いしれる連載
いーむず?やこぶせん?かりもく?…違う。その発想はあまりに安直。オシャレ家具を並べて喜んでいるようではまだまだ貧しい椅子ライフよ。世の中に騙されてはいけない。社宅の駐車場が、駄菓子屋の店先が溜まり場だったあの頃を思い返す。
そこのジベタリアン諸君!椅子ならごまんとあるぜよ!

計算しつくされた形状と上質のブロック。近年まれに見る優良物件だ。

撮影中5~6人の通行人と長時間目が合った。私の後光に目を奪われたのか?

たとえ体育座りでも、ロマンティックボーイ、気分はベル薔薇。

「断じてならんぞ!」…フワフワ「殿ォ!!」

「はしゃぎ過ぎ、つんのめり」による交通事故多発。利用の際は注意されたし。

ほどけた靴ひもを結ぶ時。道端に座れる場所があると、とても助かる。

「え、これ椅子じゃ…」「信号待ちの時とか座るでしょ?」「はい…」

「いや!これは…」「はい、コーンと背景の位置意識してね。」「はい…」

そして駐車場の不良的なイメージを払拭するべく、日々ストレッチに勤しむ。

タバコの吸殻にシンナー(は、無かった)。ヤンキー座りボーイの特等席だ。

ゴミ箱に飛び乗っておいて「これは椅子」と言うのもアレだが、これも椅子。

蛍光灯の下で悩み事なんて不健康極まりない!落ち込むのは太陽の下にかぎる!!

林立する丸太チェアー。座るも良し、飛び回るも良し、机にするも良し。

「適度な束縛感が心地いい」っていう人。結構多いと思う。

ふぅ、次のバスは何時かな?っと…ん!?オフィス用!!

普段は雨風をしのぐブルーシート建築。しかしパパっと畳めば椅子に大変身。

ある公園に一匹のカバがいました。口が開いていたので座ってみました。

最初は座っていたのだが、衝動に駆られてしまった結果である。仕方なし。
眼鏡人語
椅子とは…要は座れれば良いのである。あとは座る人間の懐の深さだ。やれデザインだ何だとオシャレ椅子にこだわる人達がいるが、何ともくだらん。町中をブラブラしているとそんな大量生産品よりもっと面白い椅子がいくらでも転がっている。「公園の遊具」や「道端のポール」などその数は無限大だ。座ってしまえば、どう転んでもそれは椅子。つまり、「石の上にも三年」…その「石」を「椅子」と呼んでも誰も文句を言うまい!ということ。散歩の際は一つでも多くの自分だけの椅子を見つけ、座り、観察し、大いに一人遊びに没頭して頂きたいものだ。
山下祐生
定食をこよなく愛する腰痛持ちの20歳。大学生。マイブームは自転車とロッククライミングとオカリナ。