南部再生第42号:もくじ
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続・ツクラナイマチヅクリ

尼崎に発電所を…って最近まであったんですよ。

新人:社長、超暑いです。室内気温が30度ですよ。

社長:がまんせい。節電の夏や。

新人:電気が足りなかったら、せめて自分たちで使う電気くらいは自分達で賄えないですかねぇ。尼崎市内の家庭における年間電力消費量は約4億5300万kWhですので、いろいろ計算すると、市民1人1人がそれぞれエアコンを年間400時間つけっぱなしにする量なので、えーと、えーと。

社長:わかりづらいわ(怒)。シンプルになんぼ必要やねん。

新人:つまり市内のピーク時の消費電力量に対応する分の電気量だけを確保すれば良いわけですよね。関西エリアの総消費電力量のピークは今夏2987万kWと言われています。尼崎市の割合は、家庭用年間電力消費量から推測すれば関西エリアの1%程度、人口比でもせいぜい2%程度ですので、60万kW分の発電量が確保できれば良いわけです。でしたら、尼崎市内に60万kW出力の発電所をつくればいいのでは?

社長:あほぅ!お前は何にも知らんなぁ。そもそも尼崎には、一時(1968〜74年)火力発電所が4つも存在してたんや。総発電量は4つ併せて139.8万kW。ごっついやろ。ところが、発電のためバンバン石炭や原油を燃やしたから、尼崎の大気汚染が深刻化してえらいことになって、順次廃炉になって、2001年に全部無くなってしもうた。おかげで尼崎の空気も少しはマシになったと言われとる。基本発電所は迷惑施設なんや。

新人:えー、知らなかった。尼崎で美浜原発(166.6万kW)くらいの電気を発電してたんですね。

社長:そや。ちなみにその発電所の跡地には、パナソニックの尼崎第1〜3工場が建ってる。

新人:確か、3つの工場の総投資額が4850億円とかいう。

社長:兵庫県が総額145億円の補助金交付を決めて誘致した工場や。多額の補助金を出してたのに、04年の稼働後わずか7年、11年にはもう第一と第三工場は休止してしもうたけどな。

新人:ちょっと待ってくださいよ。その145億円があれば太陽光発電所を尼崎につくれたじゃないですか。堺市の太陽光発電所と同じスペックのものならば、そのお金で4万kW分の太陽光発電所(パネル28万枚)ができますよ。尼崎の1世帯当たりの電力使用料を勘案すれば、約1万5千世帯程度はカバーできます。もっとも全市分の60万kWを確保しようとすると、尼崎市の税収の2倍以上の2000億円以上も必要なのですが…。

社長:一つ忘れとるわ。仮に尼崎市で60万kW全てを太陽光発電で賄おうとすると、パネルが420万枚必要や。パネル1枚=3m²とすると、1200ha以上の面積になってまう。これって尼崎の総面積の4分の1やで。金よりも場所や。

新人:う〜ん。太陽光発電所で尼崎の全部の電気を賄うのはちょっと厳しいかな。そうなると、やっぱり、げ・・・。

社長:ボケ!どあほぅ!そんなもんに頼ろうと考える前に、まずは節電せぇ。TVやクーラーが無くても問題ない。暑かったら汗かきゃえぇやないか。汗かいたら、風呂に入ったらええねん。

新人:実はもう既にあんまり暑いので、営業中にさぼって先ほど銭湯に行ってました(笑)。

写真=関西電力尼崎第一、第二、第三発電所(1964頃)兵庫県発行絵はがき(尼崎市立地域研究史料館所蔵)より