南部再発見 ぼっ、防潮堤?

店内の看板

ひとくちに「せんべい」といっても醤油せんべい、塩せんべい、炭酸せんべいなどそのバラエティーは実に豊富です。今回ご紹介するのは「瓦せんべい」。企業のロゴや大学の校章の焼き印が捺された、かたくてほのかに甘いこげ茶色のアレです。

瓦せんべい

今回発見したのは、その名も「防潮堤せんべい」。出屋敷にある「松和堂」で見つけました。「誰が一体何のために?」という疑問が沸々と湧き、お店を訪れました。

「うちは明治45年の創業以来、今も2代目の主人が手焼きにこだわって作っています。天皇陛下への献上を頼まれたこともあるんですよ。1955年の防潮堤ができた頃、当時の坂本市長にすすめられて「防潮堤煎餅」の登録商標をとったんです」とにこにこと話してくれたのは松本鏡子さん。「そら、あのジェーン台風の水害は大変でした。防潮堤ができた時はみんな安心したんとちがいますか」

尼崎市民にとって偉大なる防潮堤…。煎餅に捺されるほど愛されたコンクリートの壁は、今も尼崎を水害から守ってくれています。


松和堂本店
クリーニングの看板が目印 出屋敷駅から150m