AP(尼崎パン)通信尼崎のパン屋事情をあれこれ調べてみました。

尼崎はパン屋密集地帯だった!

尼崎のパン屋事情について「兵庫県パン協同組合」へ問い合わせたところ、「尼崎のことはようわからへんのです」とのこと。なぜなら尼崎市内で県の組合に加入しているのは「武庫川木村家」の1軒のみで、その他のパン屋の情報がほとんど入らないのだとか。なぜそのような状況になっているのでしょう、とたずねると「うーん、尼崎は昔から鉄のことばっかりやってたからとちゃうかなあ」とのこと。なんじゃそら。

インターネット上の電話帳「iタウンページ」で検索してみると、2014年11月時点の「パン店」ジャンルに名前を連ねる事業者は52軒。兵庫県内29市町村の中で最も多いのが神戸でなんと234軒ものパン屋がある。さすがは全国一のパン消費量を誇るだけある。そういえば、阪神パンの生田さん(p.2)も神戸の灘からパン酵母をもらったと言っていた。第2位は西宮の68軒(さすがは文教都市、学生が多いだけのことある)、第3位は姫路で58軒(さすが世界遺産のまち!)…で続く第4位が尼崎で52軒を数える。ちなみにお隣の伊丹には16軒しかなく、その規模は3倍以上だ。

数だけで競うのも気が引けるので、軒数を市の面積で割ってみた。すると、なんと尼崎市の1km2あたりのパン屋の数は1.0軒と兵庫県内ダントツの1位。あの神戸ですら0.4軒、西宮が0.7軒なのでこれは驚異的な数字だ。

そう、わがまち尼崎は石を投げればパン屋に当たる、まさに県下一のパン屋密集都市といえよう。

PAN TOPIC

かつては尼崎にパンの組合が?

p2でご紹介した創業100年を超える尼崎最古のパン屋「阪神パン」生田數馬さん(92)への取材で、かつては学校給食のパン納品業者らで作る業界団体があったことが判明。当時加盟店としては、小西、青野、丸一、三つ葉といったパン店が名前を連ねたが、廃業が相次ぐ中、組合は解消されたという。

ルビアンさんの工房 伊丹へと移転

本誌22号にもご登場いただいたフランス人パン職人、ルビアン・ミッシェルさんのパン工房が伊丹へと移転していたことが今回の取材で明らかになった。エーデルワイスのパン部門の指揮を取るルビアンさん。彼のファミリーネームを冠したブランドは、梅田をはじめ各地の百貨店に出店し行列を作るほどの人気店だった。