南部百景 第21景 立ち飲み屋で立ち聞き 「今年一番の冷え込み」なんて報道が続くようになると、赤提灯が恋しくなる。ちびちび飲める場末の飲み屋の雰囲気を味わいたくて、尼崎競艇場の付近へ出かけた。あいにくレースはなくて、休業 […]
南部百景 第20景 東洋精機株式会社本館事務所 東洋精機は、潜水艦や潜水艇などの高圧バルブ製造で知られる鍛造メーカー。その本館事務所は、宝塚ホテルや西宮市庁舎を手がけた建築家、古塚正治の設計による。機能を重視した、シンプ […]
南部百景 第19景 武庫川河畔で和気あいあいの景 バーベキューの片付けに追われるパパさんママさんを尻目に、魚とりに歓声をあげる子どもたち。クスノキの木陰では、近所のおじさんたちが囲碁や将棋、麻雀に興じ、通りすがりの人が静 […]
南部百景 第16~18景 工都の変容 2つの発電所の廃止が、まるで衰退の象徴であるかのように報じられた南部地域。しかし今、港とインターチェンジという陸・海運に適した立地から、新たな企業が続々と進出している。変わる風景に、 […]
南部百景 第15景 小春日和の橘公園 やわらかい西日を浴びて、鳥が飛び立つ。男はまぶしそうに空を見上げ、「俺も飛びたかったさ。でもな…」規則的な音を立てていたエンジンを切り、「立ち止まることにも勇気が要るって知ったのさ」 […]
南部百景 第14景 若本さんの屋上緑化 武庫川沿いでかなり目を引く、屋上にいくつものドームを乗せた工場。それ自体でも充分魅了的だが、訪れてみて驚いた。そこにあったのは、海から吹く風にそよぐ野菜たちと、カタカタと乾いた音を […]
南部百景 第13景 天龍神社がある広場 新三和商店街に出ているトイレの表示に導かれて路地へ入ると、ちょっと変わった三角形の広場に出会う。裏側に来ただけで、人の足音や有線放送といった、商店街の喧騒からはかなり遠ざかる。敷地 […]
南部百景 第12景 庄下川のカモメ模様 阪神尼崎駅のすぐ東側を流れる庄下川。ここは晩秋から春先にかけ、ユリカモメの集まる場所として親しまれている。感嘆の声をあげる人、えさをあげるためにやって来る人、ぼう然と眺める人など、 […]
南部百景 第11景 国道2号線コラージュ 国道沿い、道路は拡幅され、ビルは林立。ギラギラとした商店ばかりが並ぶものとつい、思ってしまう。しかし、ここは路面電車の廃止によって車線を確保し、大規模な拡幅工事を経験することもな […]
南部百景 第10景 食べられる夏の景 阪神出屋敷から尼崎の間を歩いた。さすがに木造長屋の連なるまちらしく、この時期は軒先の緑が映える。路地裏の緑というと、世話と観賞を楽しむものと思いがちだが、ここではキュウリ、ナス、トマ […]
南部百景 第9景 渡船乗り場の景 臨海部の工場地帯を縦横無尽に通っている運河。その片隅に、釣り人を沖の防波堤へ運ぶ渡船乗り場がある。かつては工場へ行き来する船でにぎわっていたと聞くが、いまは時おり通る船のさざ波が静かに広 […]
南部百景 第8景 初嶋大神宮 1995年の阪神大震災。築地地区では液状化の被害で約300世帯が全半壊した。現在復興のために地区の地盤全体を1.5m底上げする工事が進んでいる。初嶋大神宮は、ジャッキアップしながら建物の歪み […]
南部百景 第7景 埋め立て地に咲く秋桜 「21世紀の森構想」の用地となる埋め立て地には、ボランティアの手によってコスモスが植えられている。痩せた土地に水不足という悪条件にもかかわらず、潮風を受けて可憐な花がそよいでいた。 […]
南部百景 第6景 橋上の夕景 長崎、尾道、神戸…。坂のあるまちは、それだけで魅力的な感じがするものです。 市域のほとんどが平地という尼崎。いたる所に点在する陸橋は、通り過ぎる一瞬だけではあるものの、まちの広がりを感じさせ […]