すごいぞ!水辺のプロたち 武庫川で会いましょう

ボートに乗ったり、釣りをしたり、水辺ならではの楽しみ方を教えてくれるプロたちをたずねて武庫川へ。

船に乗って一文字へ一直線

「尼崎最高の釣り場へ」武庫川渡船
乗船場は阪神武庫川駅から南へ4キロ
TEL:06-6430-6519
渡船料金:大人2200円(女性2000円)営業時間:平日5:00~21:00
土日祝4:30~21:00 駐車場あり
阪神武庫川駅からの送迎バスも。

武庫川河口沖には全国の釣り人たちにその名が知れ渡る名物スポットがある。通称「ムコイチ」、かつては日本最長を誇った長さ4.4キロメートル(現在は2番目)の防波堤・武庫川一文字だ。海上に浮かぶコンクリート壁だけあって、潮通しは抜群。尼崎の地先から約1.5キロ、船で約5分の距離に、絶好の漁場がある。

そんな“おさかな天国”へ毎日、釣り好きを運ぶ「武庫川渡船」を訪ねた。昨年、斎藤渡船と宮本渡船が合併して生まれた新会社だ。他にも尼崎と西宮にそれぞれもう1社が競合しているそうで、「ムコイチ」の人気のほどがうかがえる。

釣り人の朝は早い。平日は早朝5時、休日は4時半に一番船を出す。60人乗りの船は朝から満席だ。30分~1時間おきに夜9時まで運航が続く。6月頃からはスルメイカのシーズン。滋賀や奈良、遠くは横浜や名古屋からもファンが「ムコイチ」に集い、多い時には、1000人以上が同時に釣り糸を垂らす。阪神間屈指のレジャースポットだ。

「尼崎の海は汚い、ってイメージがあるかもしれないけれど、意外にきれいなんですよ」と、水質検査表を見せてくれた支配人の宮本悦男さん。祖父が始めた渡船業を9人のスタッフで切り盛りする。

尼崎市直営の魚つり天国

「初心者でも大丈夫です」尼崎市立魚つり公園
入園料:大人800円・子ども400円
営業時間:6:00~19:00 火休
7~10月は21時まで
12~4月は17時まで

「釣りがはじめての方でも大丈夫。スタッフが餌の付け方から、丁寧にお教えします」。武庫川駅から南へ4キロ。埋立地の最南端にある「尼崎市立魚つり公園」の施設責任者・村上賢治さんが出迎えてくれた。1983年にできた公園は、なんと市営。一時は財政難で廃止も検討されてきたが、ファンの声や経営努力で、昨年は過去2番目の売り上げを記録した。休日には朝6時のオープンとともに定員の300人に達し、入場待ちの状態になることもしばしば。最近は釣りブームで、若いカップルや女子の利用も増えているとか。竿やバケツなどがレンタルできるのも、ビギナーにとってはありがたい。

週末はボートに乗って

「ぜひデートに乗ってみて」武庫川ボート
営業時間:土日祝の12:00~17:00頃
雨・強風など天候で臨時休業もあり
シーズンオフ7月中旬~9月中旬、11月中旬~3月中旬
料金:3人乗り800円/30分
ファミリィセット1000円(大人2+子供2名まで)

阪神電車の車窓から見える河川敷のボートが気になっている人は多いはずだ。武庫川駅近くの河川敷には年季の入った50艇もの手漕ぎボート。週末限定で小さなテントを建てて貸ボート店の店番をする中村勝代さんは、60年ほど前に両親が始めたお店を引き継いだ2代目だという。

「昔はカップルの名所だったのよ。今はずいぶん減っちゃったけど…。最近はおじいちゃん、おばあちゃんと孫みたいなファミリーのお客さんが多いわ」。今ではすっかり珍しくなった貸しボート店。週末の武庫川を楽しむ、ちょっと懐かしいレジャーは、今こそデートに使いたい。