尼崎ディスカバリー 尼の工場群

尼崎で見つけた非日常の風景を切り撮る


手軽に行ける異空間が尼崎の臨海部にある。「産業の町尼崎」を象徴するかのような工場群だ。巨大な工場地帯と違って、間近で見られるのが「尼の工場」の特徴で、無骨な鉄骨や古びたパイプに親近感が沸きやすく近頃は工場鑑賞や撮影のために足を運ぶ人が増加中だ。昼は設備の細部まで見え、夜は照明で幻想的に。夏は巨大な入道雲を背負い迫力をまとい、冬は水蒸気が勢いを一層増して力強さを見せる。季節や時間で表情を変えるのも見所だ。そんな景色をより迫力満点に眺められるのが「尼崎運河クルージング」。陸地より低い視点から見上げるプラントや、普段は見られない工場の裏側まで見られるのは貴重な機会。是非参加してみて欲しい。


写真・文/小林 哲朗(こばやしてつろう)
フォトグラファー。廃墟、工場、地下、巨大建造物など身近に潜む異空間をテーマに撮影。