描きたくなる尼の風景

中植茂市郎『出屋敷商店街』

出屋敷駅を降りて北に歩くと、目に飛び込んでくる道路に架かった巨大アーチ。「尼崎浪速信用金庫」。あましんの当時の名称だ。出屋敷線の沿道にはお店が並び、南側の工業地帯で働く人たちでにぎわっていた様子が描かれている。レコードを聴く「ビクターの犬」が時代を物語る。

中村茂雄『玉江橋付近』

国道2号線沿いの尼崎商工会議所、中小企業センター、金融機関などが並ぶ“尼のウォール街”を東に見る。正面奥に見える総合文化センターは当時のランドマークだったのだろう。今ではホテルニューアルカイックや新築の商工会議所ビル、十間交差点のマンションが並び、界隈の景色は様変わりした。

必見!まぼろしの風景がよみがえる… 『収蔵品に見る尼崎の風景と作家展』

尼崎市総合文化センター開館35周年を記念して、尼崎市のコレクションを中心に郷土の作家たちが描いた風景画や、郷土を代表する白髪一雄、櫻井忠剛などの作品約70点を展示。懐かしい尼崎の風景に出会えます。左はかつて杭瀬北新町にあった演劇場『寿座』(中村茂雄作)

●2010年11月13日~12月12日 尼崎市総合文化センター