室町時代から続くお坊さんの学校があった!

興隆学林専門学校

尼崎寺町のランドマーク・三重宝塔がそびえる法華宗(本門流)四大本山の一つ、本興寺にその学校「興隆学林」はあった。全寮制の同校には現在40人の学生が在籍。2年制の宗学科とさらに2年の宗学研究科には、高卒から大卒、縁あって寺を継ぐことになった40才まで、全国各地から集まった学生が寝食を共にし、僧侶を目指す。

起源は1454年に日隆上人が創立された「尼崎勧学院」。京都本能寺を“布教”の大本山とした法華宗が、尼崎に“学び”の大本山を築いた理由は、「都と違い尼崎には政治的な雑音が少なく、港町として多くの人が行き交ったからではないでしょうか」と株橋祐史学監(教頭)はいう。

毎年11月にはサンシビックで学生弁論大会が公開。「賞品が豪華なんです」と聞き、やはり最新ゲーム機かと思いきや「硯やお袈裟、お念珠など、私も欲しいくらいの高級品です」と先生方。そりゃそうだ。

学林の一日は、大本山本興寺でのお勤めからはじまる。早朝4時半から準備し、6時からすべてのお堂を拝んで廻り約2時間。その後、教室に戻り「読経演習」や「書道」「仏教文化」「古典漢文」「雅楽」といった僧侶になるための専門的な講義が続く。消灯時間は21時。「外に遊びに行くなとまでは言っていませんが、実際はそんな時間はありません。学生にとっては規律正しい集団生活で、生涯の仲間を得ることができる貴重な場」という舎監(寮長)の日種随翁さんも学林の卒業生。今も同期との絆は深いという。

阪神尼崎駅周辺の喧噪のなか、お坊さんの卵たちは静かに修行に励んでいたのだった。


神仏ニュース七福神めぐり尼崎版が誕生

昨年12月、中央商店街が呼びかけ、寺町周辺のお寺5ヵ寺と神社2社で「七福神めぐり」が実現した。全国各地に同様の企画はあるが、尼崎版ではわずか2時間で踏破できる気軽さがうけ、1000円の特製色紙は飛ぶように売れているとか。色紙の販売は中央4番街で。4月には商店街アーケードに、七福神イラストもお目見え。アノ先生が描いたとあって、ファン殺到のスポットになりそうだ。


スタンプ台はこちらに

尼崎えびす神社【恵比寿神】、本興寺【大黒天】、長遠寺【毘沙門天】、大覚寺【弁財天】、貴布禰神社福禄寿、常楽寺【寿老神】、法園寺【布袋尊】。それぞれの境内にスタンプ台が設置。お参りもお忘れなく。