住まいのプロに聞きました 尼崎住宅事情2009

「尼崎南部は今が狙い目です」
藤井不動産代表取締役 藤井輝男さん

尼崎の住宅開発はおおまかに、阪神~阪急~JRの順に沿線を移り変わってきました。杭瀬や出屋敷など南部地域の住宅需要は昭和40年代にピークを迎え、それと入れ替わるように、農地の多かった塚口や武庫之荘、立花あたりが拓かれ、現在は工場跡地を核にJR尼崎周辺が大きく動き出しています。お客さんの希望もやはり武庫之荘、塚口、JR尼崎の順に多いですね。

南部地域の人気が高くないのは、街並みが古い、マンションなどの新しい物件が少ない、緑が少ない…といった理由でしょう。しかし、杭瀬に生まれ育ち、長年この界隈の物件を扱っている立場からすれば、いまこそ南部が狙い目だと思います。

街が古いということは、昔ながらの商店街や市場があって、物価が安いうえ、住めば住むほど深まる近所付き合いがあるということ。物件も一戸建てやアパート、団地など、さまざまなタイプが揃っています。大動脈の国道が2本走り、春には阪神電車の難波への延伸も控えていて、交通の利便性はさらに増します。

最大の利点は、この住環境が格安で手に入ること。2DKの家賃相場は、阪急沿線が8万円とすれば、JRは7万5千円、阪神だと6万円です。北部より南部の方が約2割安い。駐車場代も含めれば、杭瀬が武庫之荘の半値になるケースもあります。ほかにも、再開発が一段落して、ちょっと値段が落ち着いてきた立花、昭和40~50年代のマンションが豊富な阪神尼崎などもお勧めです。

住まい選びの視点をちょっと変えてみるだけで、流行りのエリアだけじゃない、いい街のいい物件に出会えると思いますよ。