メガネ、メガネ… vol.12 尼遺産【あまいさん】

尼崎南部で見つけた気になる光景をかたっぱしからパシャッと集めた2ページ。連続する写真と妄想に酔いしれろ!

知ってる人はなんとなく知っている、知らない人は気にもとめていない。しかしそれは確かに私達の住む尼崎にいて、尼人の記憶の隅に小さな椅子を置きたがっている。彼らのささやかな願いを叶えるべくここに「尼遺産委員会」を発足する(勝手に)。

未来へ引き継ぎたい、尼のいとなみ

[自然遺産] カモメ箸
尼崎自然遺産の一つ。二本並んだまるで箸のような橋の端から端までカモメが並んでいる。
[開発遺産] アマチュピチュ
古代尼崎文明の技術を結集して造られた空間。周囲のビル型山脈に住む尼人の憩いの場である。
[路面遺産] 南部の地上絵
誰が何のためにこんな物を作ったのか…Y字路の三角エリアが切り離され、∀字路になっている。
[鉄塔遺産] 頭がクラクラ~
壁画でもCGでもない、正真正銘の空に描かれた幾何学模様。その正体は…真下から写した鉄塔でした。
[海洋遺産] 海の上のツリスト
世界的にも珍しい?海の上の公園。近くに住む釣り好き民族「釣人(つりうど)」の狩場である。
[屋根遺産] 飛行機のモチーフ
太古の尼人も空に想いを馳せていたのか、立派な翼である。今では自転車置き場に使われている。
[工場遺産] 運河沿いの工城
テクノポリス尼崎には多くの大名が工城を構え、お堀(運河)を共有するという珍しい慣習が見られた。
[謎の遺産] 尼崎ふしぎ発見!
尼崎はピラミッドパワーによって守られているという都市伝説があるが、私しか知らない話のようだ。
[漁業遺産] パイレーツ・オブ・アマ
と、言っても強盗をする悪い海賊ではなく、海を愛するロマンチストの相棒置き場。
[夜景遺産] サグラダ・フ尼リア
有名建築家「尼トニオ・ガウリー」の代表作。「尼の夜景百選(著:山下祐生)」にも選ばれる。
[住宅遺産] ステアウェイ・トゥ・ヘブン
この建物には約100段の階段があり、古代尼人は初日の出を見るため行列を作ったとか作ってないとか。
[煉瓦遺産] 華麗なるおうち
このレンガ作りの建物はかの有名な万俵一族が別荘として使っていた。という設定に勝手にした。

眼鏡人語
久しぶりに地元の同級生と遊ぶと、いつも中学の時の話になる。放課後、必ず誰か友達がいる駄菓子屋や、学校の帰り道にある公園、目的もなく自転車でブラブラした道。思い浮かぶ場所は案外地味な所だったり、当時は特に気にすることなく通り過ぎていた場所が多かったりする。懐かしい思い出はいつも見慣れた風景の中にあって、つい数年前の事でも思い返してみると青春映画を見ているような気持ちにしてくれるのだ。今私達がなにげなく過ごしているこの町にも、沢山の「思い出予備軍」がいて、その中には何年か先には無くなってしまっている場所もあるかもしれない。これまで紹介してきた色んな場所を何年後かの私はきっと忘れているだろう。だからこそ、いつか思い出す「あの頃」に一つでも多くこの尼風景を登場させてあげるべく、今日も歩いて家まで帰ったりするのである。


まちのメガネ 山下祐生●やましたゆうき
冒頭でぬけぬけと「私達の住む尼崎」と言ってのける西宮在住の22歳。人呼んで山下祐生。