チャリ、バス、船で ツール・ド・リンカイ

自転車道が作られ、バス路線が延長され、臨海エリアへのアクセスは格段によくなった。ならば、行かねば…。躍動するリンカイの景色と潮風求めて。

流れる景色にベイエリアの変化を感じる

チャリ

尼っ子りんりんロード

阪神尼崎駅をスタート地点に尼崎スポーツの森、尼ロックを結ぶサイクリングロード。2006年12月に整備が完了した全長6キロのお手軽コース。運河に沿ってリンリ~ン♪

蓬川沿い

国道43号線をくぐる道意地下道を抜けると、一気に工場地帯へ突入。なのに、そこには見晴台や藤棚などがあり、マッタリとした空気が流れているのだ。

北堀運河

ボードウォークまで取り付けられた北堀運河。中堀運河とクロスする地点に架けられたダイナミックな「出会い橋」は、運河のベスト撮影スポットだ。

日本油脂

中堀運河の西側に広がる日本油脂はパイプが張り巡らされた化学工場。プ~ンと漂う薬品の臭いがガマンできない人は、直線道を息を止めて一気に駆け抜けろ!

尼崎スポーツの森

アマラーゴの脇の育苗場を抜けて丘を登ると、そこは最南端のオアシス。西堀運河を挟んで望むパイプ工場と武庫川団地の重なる風景がシュールだ。

丸島橋

尼崎に2カ所ある可動橋の一つ「丸島橋」。はね橋が上がる時間は1日5回のみ。船の通行がなければ上がらないので、遭遇出来た人は超ラッキー。

バス

市バス「阪神出屋敷~松下PDP前」

臨海部の再開発以降その便数を飛躍的に増やした。その数、市バス7路線198便、阪神バス3路線24便。意外に使える片道約20分のリンカイちょいバス旅へ。

出屋敷線

臨海部に入った途端に車道には多数の大型貨物車。この一帯には06年に開設した大型物流センタープロロジスをはじめ、巨大物流センターがひしめいている。

道意線

大規模な工場が並ぶ沿道は、コンクリート塀の無機質な景色が続く。神鋼鋼線工業の植え込みに咲く鮮やかなツツジが車窓風景を和ませる。

末広大橋

赤い大きなアーチ型の末広大橋。頂上付近からは臨海部一帯が見渡せるバス旅最大の見どころ。工業都市らしい風景がパノラマで迫ってくる。

尼崎テクノランド

高々としたネットが遠くからも拝めるゴルフ練習場。敷地内には誰でも入れるレストランがあり、グリーンの芝に囲まれた空間はここだけ外国気分。

松下PDP

松下PDP工場の巨大建造物。出勤、退社時刻の便に乗ると会社専用バスと化す。乗客らの会話に耳を澄ませば、最先端の工場の様子をうかがえるかも。

運河クルージング

工業都市へ発展する過程で生まれた尼崎の運河。船で巡れば産業を知る立派なツーリズムに。流れる風景の中にある建物や物語、働く人の姿を特等席で。

東高洲橋

丸島橋と並んで市内で2つしかないはね橋で、昭和33年設置。尼ロックの集中コントロールセンターからおっちゃんが自転車でやってきて操作する。

はたらく船

運河に面した工場では、荷物を積みながら激しく揺れる船の姿が。近づくほどに迫力の金属音を体感できる、ライブ感あふれるアトラクションのひとつ。

尼ロック

4割がゼロメートル地帯という尼崎を外海から守る水門。開門時『ベン・ハー』的スペクタクルを期待するも、水位差数十センチに苦笑する日のほうがザラ。

白い飛沫、跳ねる魚

水深の浅い所や頭上の低い所を巡るのが小型船クルーズの醍醐味だが、静かに暮らす魚には大迷惑。思わず水上に飛び跳ねて、船に飛び込んでくることも。

パイプの工場

『南部再生』でも繰り返し訴えてきた、メタルのストラクチャーによるインダストリアルな造形美も、船上からならこんなふうに独り占めできる。萌えろ。