次は4年後 昭和通のブラジル

尼崎で生まれた最強のフットサルチーム
庄本商店に集まる日本・ブラジル人混成のフットサルチームYONAIT(よないち)は、この6月、全国954チームが出場したニッポンハムカップで2部門を制覇。監督のジュリオさんが宙に舞った。この日は東京へ転勤するメンバーの送別会の真っ最中。メンバーの大半は尼崎に住んでいたが、今は仕事の関係で奈良や滋賀など、遠方から集まっている。

店主の大島奈緒子さん

「ブラジル敗退の理由? スター選手のわがままかな。俺ならフランス戦でロナウドは使わない」。即答するのは、日本リーグ時代の1974年から1983年までヤンマーの選手だったジュリオ節夫・上田さん。日系ブラジル人2世。店主の大島奈緒子さんが「みんな自分が監督になった気でいるのよ」と突っ込むが、「試合前のスイス合宿はまるで遠足だった」と熱弁は止まらない。

昭和通の庄本商店。6代続く酒屋だが、近所に住んでいた元セレッソ大阪監督パウロ・エミリオさんとの交流をきっかけに、ブラジルショップを兼ねた店に変貌。週末にはサッカーマニアやブラジル好きが集う酒場と化す。

W杯の中継は必ずリアルタイムで見るというジルベルト清司・秋山さんは「日本じゃ視聴率がどうとか騒ぐけど、何言ってんのと思うね。俺のいたサンパウロじゃ、試合当日は公共機関とスポーツバー以外は閉まるんだ」。試合前に車道に国旗を描いたかと思えば、試合後は勝っても負けても暴動。祖国の過熱ぶりは相当なものらしい。

今回のドイツ大会は時差のため、みんな自宅観戦だった。「決勝に進めば店を開けようと思っていたのに。ベスト8止まりで残念」と大島さん。優勝に熱狂した客が店を飛び出し、国旗をマント代わりに町内を走り回った02年日韓大会は、またしばらく語り継がれることになりそうだ。


ママンの味が待っている。

ポルトガル語、スペイン語、関西弁が飛び交う店内でいただく日替わりプレート「ジャンタ」(木~日曜限定)がおすすめ。

庄本商店
昭和通1-13-10
電話:06-6481-3906
営業時間:19:00~22:00頃 水曜定休