アマテラピー vol.5 園芸のチカラ

日常の自分からちょっと離れて、尼崎の癒しの場所へ。

土をいじりながらぺちゃくちゃおしゃべり。

大昔から「病は気から」と言われてきましたが、今回は「ストレスは病の元、楽しく暮らすのがカラダに一番」というお話。

園芸“療法”といっても特別なことはしません。土を柔らかくしたり、苗を植える穴を掘ったり。「実がなるのが楽しみですね~」「桜が咲きはじめてきたね」なんておしゃべりしながら、土いじりを楽しみます。

大庄北にある認知症老人グループホーム「さわやか」。この施設では、「尼崎・園芸療法を考える会」の協力で7年前から園芸療法に取り組んでいます。施設裏の小さな庭で、この日はイチゴの苗の植え付け。私も混じって手伝うことに。

「今日は疲れたからよう眠れるなあ」と入居者の方に声をかけるのは、施設の管理責任者、盛実男さん。「普段彼女はあまり長く出歩くことができない」のだそうです。えぇっ!さっきはあんなに元気に庭中を歩いておられたのに!表情もイキイキとして、笑顔で作業されていたのに!

「ボクらは一緒にできることを楽しみながらするんです」と会の代表を務める安藤一夫さん。楽しいと思う気持ちは時に驚くほどのパワーを引き出します。実際に安藤さんは、車椅子でしか移動できなかった方が立ち上がる場面にも出合ったとか。

園芸療法のはじまりは、第二次世界大戦後のアメリカ。復員した兵士の心のリハビリにと実践されたのがきっかけだそうです。その後、効果が認められ、全米の大学で講座が開かれ、世界中へと広がっていきました。しかし、日本で実践しているところはまだ多くありません。楽しんで植物を育てる―いたってシンプルなこのセラピー、お年寄りだけでなく、ちょっと疲れた大人や子どもにもオススメだそうです。

私もこの春からまたベランダに花を植えようと思います。


グループホーム「さわやか」

大庄北3-1-23
さわやか診療所4F
06-6414-0603


フクナガミチヨ
小さい頃から植物が好きで、癒し効果に注目。クリスタルヒーリング・癒しのカフェ・落ち着く音楽について研究活動中。