南部再生第18号:もくじ
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 晴れた日は歩いて出かけよう。路地や川べりの道を、ときには公園に寄り道しながら。渋滞する車の横を自転車で軽快にすり抜けるのも気持ちいい。遠出するならのんびりバスに揺られて。「尼崎は南北交通が不便だから…」。たしかにそう。でも、だからこその楽しみがある。そうだ、きょうは車は置いていこう。
取材と文/若狭健作・松本創・綱本武雄

歩き系イベント、ブームの兆し

 歴史散策、水辺、神社めぐりといったテーマでまちを歩く、ウォークイベントがちょっとしたブームだという。そういえば、どこの駅でも、なんたらウォークと書かれたポスターを目にする。沿線の魅力のPRに、私鉄各社は特に積極的だ。

 歩くだけのイベントに人が集まるのかと思いきや、「毎回1000人くらいの参加がありますよ」と阪神電鉄の担当者は胸を張る。電鉄だけじゃない。行政も、NPOも、あちこちで「わがまち発見ウォーク」的イベントを仕掛けている。

 そういえば、あまけんも数年前、「銭湯ウォーク」を敢行した。南部に多い銭湯を巡り、あそこのドリンクがレアとか、サウナがどうとか言い合い、銭湯が今よりもっとにぎわっていた、古きよき下町、尼崎に思いをめぐらせた。

 歩くだけなら、しんどいだけ。3歩進んで2歩下がるスローな足どりで、沿道のありとあらゆるものをオモロがる。ウォークイベントを楽しむ鍵はイマジネーションだ。

中国街道をゆく

 街道に息づく歴史、行き交う人々に思いを巡らせ、司馬遼太郎は旅を続けた。熊野古道は世界遺産に登録され、自然と人との関わりが再評価されている。世はまさに街道ブーム。

尼崎を歩くネタにどうぞ

 大阪高麗橋と西宮を結ぶ「中国街道」は、別名「尼道(あまみち)」とも呼ばれ、中世以降の海岸沿いの交通路から発展したといわれている。江戸時代に城下町となり、その整備がすすみ、大阪から下関へ向かう西国街道への脇道としてにぎわったとか。

 ここ、尼崎でも街道に注目した取り組みがはじまった。まだまだ謎に包まれた「中国街道」。その面影を発掘して、尼崎の南部に再び江戸時代のにぎわいを、という壮大なプロジェクトが立ち上がった。「司馬遼太郎や世界遺産とまではいかなくても、このまちを歩くちょっとしたきっかけができれば」と尼崎市都市政策課伊藤係長は意気込んでいる。

濃密な街道の風情が今も残る新町道とその路地裏

 長洲天満宮を少し東へ。新町道と呼ばれる細道は、今もなお、街道の趣きを残している。さらに路地裏を進めば、車はもちろん進入禁止。迷路のような街路にまぎれこみ、路上観察をする愉しみ。