南部再生第13号:もくじ
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ノスアマ 〜尼セン〜

改札から徒歩30歩のデパート
今回歩いたエリア … 尼セン
阪神尼崎駅高架下の商業施設「尼センデパート」改札から徒歩30歩という便利さから毎日多くの買い物客が訪れる。1974年から営業する老舗ショッピングモールである。
かおりん(以下K) トイレ行っていい?ここにあるかなぁ?

阪神尼崎駅の改札を出た私たちは人の流れに身をまかせ、トイレを探すことにした。

K めっちゃ通路多いなぁ。トイレどこにあるんやろう?
れいな(以下R) あ!あったあった。
K トイレ結構キレイやったな。あれっ?男子トイレってもしかしてこれ?
R えっ!?なんか薄暗くて端に追いやられてるやん。
K この男女のトイレの差は何なんやろうね(笑)ってかここは一体何なんやろう?
R そういえば入口に地図あったやんね?戻ってみよう!

入り口に戻った私たちは可愛らしい看板と店内の地図を発見した。

K へぇ〜ここアマセンって言うんや。もう一回入ろっか。
R うん!店いっぱいあるし面白そうやね。
K それにしてもやっぱ通路多くて迷うね。
R うん。ここさっき入ったところと違うんやね? 食べ物屋がたくさん!さっきは靴とか服屋ばっかりのような…
K 入り口違ったら雰囲気が違うんやな。店の形態によって分かれてるんかな?
R そうみたいやね。結構考えて作られてるんや〜。
K そういえば、通路が多いからほとんどの店が角持ってるな!目玉商品も角向いてるし!
R ほんとや〜!そういえば服屋さんとか値札見せてるとこ多かったね。目に付きやすいようにかな?
K そうやね!通り過ぎるだけの人も多いんやろうね。あ、奥にスーパーも本屋もあるやん! 
R へぇ〜ここで何でも揃うんやね。本屋なのに本ってゆう看板があるのもウケるなぁ(笑)
K こっちにはペットショップまである!かなり充実したショッピングモールなんやね!
R 会社員や主婦だけでなくて、女子高生も多いし、いろんな人が利用してるんやね。
K ほんまやなぁ。夕方結構人で賑わってるもんね。こんなに駅の真下にあったら便利やもんな。
R うん。地元の人に親しまれた場所なんやろうね!
K 私らトイレがきっかけで面白いとこ発見したね(笑)

高架下の活用に積極的な阪神電鉄。尼崎では大物グリーンプラザ、杭瀬「駅の街」も面白い

観葉植物が置かれ、歓迎ムードあふれる女性用トイレ

女性用トイレの陰でひっそりとたたずむ男性用トイレ

和菓子屋がケーキが並ぶスウィーツ通り

案内板は業種によってカラフルに塗り分けられている

人目につくようコーナーに配置された目玉商品の婚約指輪

婦人服や呉服屋が並ぶファッション通り
今回のメンバー
かおりん(森並 香)
大阪府阪南市出身
趣味は買い物・バドミントン・漫才を見ること
れいな(中西 麗奈)
兵庫県宝塚市出身
趣味は観劇・グリコのおもちゃ集め
二人は関西学院大学総合政策学部2回生

日常まち歩きの心得

町並みとのコミュニケーション《イメージのキャッチボール》

 まちが発信するイメージをつかめる様になると、まち歩きが楽しくなってくる。取っ掛かりには店の並ぶ通りを選ぶといい。通りに面したお店の外観からは、通りすがる人の購買意欲をかき立てるイメージが発信されているからだ。女性・男性、子供・若者・お年寄りーどういう人々がターゲットか。格好よさ・かわいらしさ・高級感 ― どのようなテーマをアピールしているかを読み解く視点が大切。

 植物を置いたり木の素材を使って自然な優しさを伝える。ガラスを沢山使って清潔感や開放感を伝える。壁の色や素材感、照明の色や演出によっても与えるイメージは全然違う。

 ショーウィンドウを使っての商品のディスプレイやレイアウトもイメージづくりに欠かせない要素。値段などの表示を年輩の方に配慮して大きく見やすくする、子供向けに漢字を使わない、横文字で大人っぽくと表示情報も重要だ。他にも入口を開け放つ事やガラス張りにする事で入りやすさをつくったり、その逆に、入口を締めて壁で囲んで見えない内部への興味を掻き立てるといった心理的な要素や、パンを焼く香ばしい匂いやおもちゃの動く楽しげな音など、通る人の五感をかき立て、中に入ってみたい気分にさせる。

 建物の中ではトイレが面白い。おしゃれな飲食店では必ずトイレに入れ、というほど機能面以外での注目も高まっている。椅子やソファー付きの豪華な化粧直しスペースは少なくとも女性をターゲットにしているといえる。男性用トイレへのベビーベットの進出もご時世を反映しているのだろう。

 厚く高い塀。塀の上から覗くミカンの木。これが朝露のキラキラ光る生け垣だったらどんなだろう。店鋪でなくても道行く人に何らかのイメージを与えている。自分の家も他の人にとっては景色の中の一要素。あなたの家はどういうイメージを発信しているだろうか。

■北尾 琴(きたおこと)
 1975年神戸市生まれ 武庫川女子大学 生活環境学部 生活環境学科 建築都市設計学研究室助手