写真とかたる 【1】130年間の一コマ。

尼崎で撮った昔の写真を見て、当時の思い出を語ってもらいます。ご本人が写っている懐かしのスナップをお寄せください。

1950 城内小学校

「この頃は50人学級で6クラスあったから、全校生徒あわせて1800人くらいやな」。尼崎市立城内小学校の裏庭で撮った1950年(昭和25年)の集合写真だ。持ち主の柏原臣昭さん(62)は当時小学4年生。「城小(じょうしょう)には悪ガキがようさんおった」と語る柏原さんもその例にもれない。「軍隊出身の先生もいてよう殴られたよ。水の入ったバケツを頭に乗せて立たされたりもした」。今では問題になるような体罰もこの頃には当たり前。「勉強なんかせんと遊ぶことばっかり考えとった。グラウンドは今よりずっと広かったし、庄下川でもよう泳いだ」。

当時の城内は官庁が集まる市の中心。国道43号線にあった本町通り商店街には大阪や神戸からも人が集まった。右上に見える尼崎城のモニュメントはかつて城下町だったことの誇り。今年で130周年を迎える城内小学校の校庭には当時の姿で今もたたずんでいる。

ところで、好きだった娘はどこです?「昔はそんな女気もくそもあるかいな。女の子としゃべった記憶もあんまりないわ」。なるほど、硬派な男児がモテたんですね。

今回のご提供は…柏原臣昭さん

昭和16年尼崎市築地生まれ。現在、築地の古い風景を集めた写真展の準備中。(9/20~23開催予定。場所は築地福祉会館)


聞き手・文 若狭健作