ノスタルジック・アマ 阪神武庫川駅元浜町を歩く

学生さんがとらえた尼崎。若い世代のノスタルジーがここに

名もない店の名だたる焼き鳥

「おっちゃん、これうまいっ!」

ねぎまではなく、にんにくま。肉汁したたる鶏の上にはマスタードたっぷり。その場でぺロッと1本食べてしまった。阪神武庫川駅東の元浜町2丁目にある焼き鳥屋さんにおじゃました。「まぁ、食べてみぃや~」とサービスしてもらった。ラッキー!

ワインに漬けこんだ「にんにくま」は1本70円。
昼間は大音量のラジオに負けないよう大声で歌いながら焼くとか。

夕暮れの武庫川。八百屋の店先では筍をゆがいている。うまそ~!お好み焼き、立ち食いうどん、いろんなにおいの混ざる商店街をぬけフラフラと南へ歩いたところに、この焼き鳥屋さんがある。持ち帰り専門、買い物帰りのおばちゃんがスーパーの袋をさげて買いにくる。モウモウと立つ煙とともになんとも言えないいいにおい・・・うっ、うまそ~!!においに誘われ思わずかけこんだ。「おっちゃん、1本ちょうだ~い!」

いろいろ話している間にも、近所のおばちゃん、おにいちゃんらが来る。「おっ、毎度!」「うっす、おっちゃん皮2本と・・・」「まぁまぁ、とりあえずこれ食べ~な」「おっ、ありがとう。これうまいなぁ、にんにくか?これも2本ね。あとは・・・」商売上手な(?)おっちゃん!私のようにただ食いさせてもらった人もたくさんいるんだろう。焼き鳥の種類と値段の紙しか貼ってない、看板はなし。電話が煩わしいので店には名前つけていないとおっちゃん。「もうひとつちょうだい!」と言ったら本当にくれそうなのでやめておいた。


北中里佳(きたなか りか)
1981年金沢市生まれ 神戸女学院大学人間科学部人間科学科 探検会所属、趣味:デパ地下で食べ歩き