南部再発見 最高の自転車が選べる店
知る人ぞ知るディープサウスの魅力
「安い自転車はゴミになる」
店頭に並ぶ自転車一台一台に、店主の妻、北谷茂代さんの力強いPOPが貼られる。「本当の節約は高品質」「みんなと同じが嫌なお母さんへ」…どうやらかなりのこだわりのようだ。
国道2号線沿いにある「サイクルセンターサンワ」では粗悪品を売らない。大型スーパーやホームセンターでは1台6800円などという激安自転車も見かけるが、北谷さんはアレを自転車とは呼ばない。中国からの安い輸入品におされて、耐久性や安全性を無視した粗悪な製品がここ数年でずいぶん増えたそうだ。「値段は安くても、長持ちしないので使い捨てになってしまう。少々高くてもしっかりした自転車を大切にする方がよっぽど経済的」とは納得のアドバイスだ。
同じメーカーの自転車でも、組み立てによって乗り心地が全然違う。お店では測定器を使い、最高の乗り心地に調整してもらえる
魂のこもったPOP
カラフルなサイクリングウェアが並ぶ
たとえ一流メーカーから納品された自転車でも、お店で一旦分解して組み直してから店頭に並べる。「納品された状態だと整備の甘いところが実は結構あってね」と一見温和なご主人、正一さんは職人気質。こだわりはつきない。予算や使い方、身長、体重、ときには家族構成まで考えて1台の自転車を選ぶ。修理や盗難対策の相談などアフターサービスもどこにも負けない。1台に20年近く乗り続ける常連客も少なくない。
さらにすごいのが、40社以上のメーカー品を扱い常時1000台という品揃え。9800円から130万円、ファミリーからマニアまで全国から買いに訪れる、知る人ぞ知る名店である。■若狭健作
