南部再生第5号:もくじ
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イマドキの商店街 中央・三和・出屋敷の挑戦

何か楽しいことは

たぶん日本一のガチャガチャ集積地

 4月からのタウンマネージャーとして名乗りをあげ、このまちに関わる中小企業診断士の池田朋之さん(45)を中心に、昨年からこの商店街のサポーター組織ができあがってきた。商店街とはまったく関係のない人々が20人ほど集まり、まちを客観的に見つめ、何か楽しいことから始められないかと議論を交わしている。

 「これからは中央・三和・出屋敷商店街の周辺にある貴布禰神社や寺町、市民団体と、もっと積極的に連携していきたい。まちを支えるには商店街だけでは小さすぎる」と吉岡さんはこれからの商店街のあり方を語ってくれた。

 この商業地区に軒をつらねる商店、事業所の数は3,000とも10,000とも言われている。さほどに、この地域の本当の姿が誰にも見えていないとも言える。だから反面「この規模の集積は日本中探してもなかなか無い」とまちのポテンシャルに期待を寄せる声も聞こえてくるのだ。

 TMOとしての活動第1弾は「情報発信事業」。宅配サービスにあわせて、このまちでもっと買い物を楽しんでもらうために商店街のカタログを制作する。商品だけでなく、各個店、商店街独自の特色をそのなかに盛り込んでいく予定だ。これまでの活動とはひと味違った展開を期待したい。

変わらない時間

 「ちょっとほかでは手にはいりまへんで」という普通は手が出そうもない衣料品の店。一歩でも先を競うように店先からはみだした商品は道路を侵食し、もう露天商である。モツ焼き屋がある。店先の小さなベンチに腰掛けて冷やしあめを飲む。まさかと思うが、0円からの値札をつけたブティックがある。店主はまるで年来の知己のごとく話し掛けてくる。

 これらの店もほとんどが夜8時になるとシャッターを閉じる。かわりに活気をおびてくるのが周縁部にある飲み屋、スナック、風俗店。商店街がきらびやかな夜の装飾品をまとう。

 何を出されるかわからないような店がある。何をされるかわからないような店がある。ピンクサロンの横の小さなくらがりに足を踏み込むと、上品な笑顔の夫婦がしゃれた小鉢を出してくる。少々ふところが淋しくても泥酔できる店がある。

 数え切れないほど縦に横にスナックが並んだ一画。おぼつかないあしどりは、明らかな行き先。いつも落ち着ける、何も変わらない場所。しかも、そのほんの隣の扉は限りなく遠い。時間と空間のねじくれたまち。

 次の店へは薄暗い商店街を歩くのである。アーケードに靴音がひびく。日付はとっくに変わった。しかし、肌にふれてくるのは変わらない時間である。

キーワード解説

【中心市街地】 商業施設、公共施設、文化施設など、さまざまな機能が集積している都市の中心地区。

【中心市街地活性化法】 都市中心部の空洞化を防ぎ、都市機能や公益・商業施設等の再配置と計画的な集積を図ることを目的とする。地域の創意工夫を生かしつつ、民間業者、地方自治体および国が連携し、一体的・総合的な措置を講ずることで、都市機能を再構築することが期待されている。1998年制定。2000年施行。

【TMO】 Town Management Organization 中心市街地活性化法に基づき、市町村の商業関係者が組織する機関。認められる組織としては商工会議所、特定会社、公益法人が政令で定められている。 市町村の基本計画にのっとり、TMO構想を策定する。タウンマネージメント機関、まちづくり機関、認定構想推進事業者とも。

【中央・三和・出屋敷まちづくり株式会社】 1996年3月設立。この地区の整備事業のなかで、地区全体として取り組む必要のある事業の推進母体として設立された。2002年4月にはTMO認定を受ける。