わたしが教室をはじめた理由こんぺいとう主宰金子智子さん
教室を主宰する金子智子さんは、実は元尼崎市職員。5年前に早期退職し、第二の人生として選んだ日本語教師という働き方への思いをうかがった。
「学生時代にオーストラリアへの長期留学で、自分が社会に認められていない気がしてとにかく辛かったんです」と日本語教師になった原点を話す金子さん。退職後「外国から暮らしに来た人の役に立ちたい」と日本語教育能力検定試験に合格し、大阪市内の日本語学校の教壇に立った。
尼崎市国際交流協会のボランティアや多文化支援員として小学校で児童をサポートする中、「安くて気軽に学べる場所が求められている」と感じ、2022年に「こんぺいとう」を立ち上げた。
現在18人が通う教室は、金曜夜以外にも、生徒の都合にあわせてオンラインでもレッスンが開かれる。2024年から働き始めた尼崎緑化公園協会では、「世界の植物とくらしシリーズ」と題して、生徒が自分の育った国や地域の話をするトークイベントを企画。
「言葉を教えるだけではなく、この国に来てよかったと思ってもらいたい」と金子さんは彼ら彼女らと尼崎の人たちをつないでいる。
取材=若狭健作、畑恵子 写真・文=若狭健作