THE 技 関スーの白石さん スーパーなレジ技

ものづくりのまち尼崎に息づく匠の技の数々。最先端技術、職人技、妙技、必殺技…。
アマから繰り出されるワザに迫る

関西スーパー・フェスタ立花店 チェッカーリーダー白石優子さん

今夜のおかずの食材をカゴに詰め、お客様はレジに並ぶ。少しでも手早く、かつ正確に。次から次へと休みなく精算するチェッカーはスーパーの要だ。そんなチェッカー達が腕を競い合うコンテストがある。オール日本スーパーマーケット協会・チェッカーフェスティバル。この大会で入賞した凄腕チェッカーがいるとの噂を聞き、関西スーパー・フェスタ立花店にお邪魔した。

ちなみに、実は白石さんに続き、関西スーパーからチェッカーフェスティバルに3年連続で入賞中だとか。

お話を伺ったのは、チェッカーリーダーの白石優子さん。白石さんが入賞したのは3年前に神戸で開催された第7回大会。全国のスーパーから42人の代表が集った。プレッシャーも感じたが、「いつもどおりにやろう」と、審査員や見学者など数百人が見守る中、舞台に設置されたレジで実技を披露し、見事入賞を果たした。

チェッカーの基本は商品をレジに通す「スキャニング」。商品のバーコードの位置やセンサーの癖を覚えておき、次々と読み込ませる。その際、お刺身が手の体温で傷まないよう、など持ち方に気を配る。スキャンする順番も大切だ。あとでお客様が袋に入れやすいよう、重いものは手前、温かいものは後に、と考えながらカゴに詰め直していく。

そこまで配慮するのは、「私はこれでいいと思っていても、お客様もそう感じるとは限らないから」と白石さん。求められる接客力は年々高くなり、「お客様も厳しくなっている」と感じている。レジに立つのは連続2時間が限界と、実にハードな仕事なのだ。


取材と文/伊元俊幸
年甲斐もなくボルダリングに挑み、全身筋肉痛に悶える。