帰ってきた メガネ、メガネ… vol.14【橋脚】

尼崎南部で見つけた気になる光景。連続する写真と妄想に酔いしれるべし。

アーバンクライマー宣言

「きょうきゃく」。強きを挫き、弱きを助けるの「侠客」ではない。恋と友情で彩られた青春の思い出、永遠の3年間…「共学」でもない。それは橋の下の力持ち、道行く全ての人に差し出す雨傘、大地に力強く根を張る命の象徴だ!

えりんぎ
橋キノコの生態をよく表す例。頭上の道路の大きさとボディの太さは比例関係にある。
出前一丁
「グイっ」と道路2本を抱える腕はまるで出前配達のおやっさん、なんとまぁ素敵な。
きょのこ
横に立つおっちゃんの姿が見えるだろうか?その身長の優に10倍は超える巨大キノコ。
短足
運河に多数生息する種類。茎はギリギリまで切り詰められ、傘が海面スレスレの位置にある。
トリップ
複足と良いロケーションが揃った時にだけ見られる光景。あ~キノコで目がぐるぐると…
修理中
なんと傘に足場のあるキノコ。期間限定かつ一般人は入れないというのは酷なもんである。

眼鏡人語
尼崎には「橋キノコ」が沢山いる。そう、あれだ。橋を支えるあのT字型の足だ。頭上の物体や生えている場所に影響されるのかこれが意外と様々な姿をしていて、都市生物学者の好奇心をくすぐるのである。武庫川や運河など多くの河川がある尼崎ではとりわけ橋キノコ科・川キノコ属のものが多数見られる。基本的には人と同じで、重いものを持つ人はマッチョもしくは二人・三人で。軽いものを持つ人は細い体をしている。あとは色・形から材質まで実に様々だ。例えば電鉄会社によって違う特徴があるかもしれないし、同じ一本の道でも武庫川の上と蓬川、庄下川の上とでは違うキノコが見られるかもしれない。うむ、何と奥深い橋キノコの世界、まだまだ研究の余地が豊富に残されていそうだ。


まちのメガネ 山下祐生●やましたゆうき
こたつ布団の保温性能は寝具として認定するに値する!と、世に訴えかける24歳