尼的観光地図(マップ)第3回【桜木町界隈】

尼崎南部を旅人気分で歩いてみた。

尼崎観光の定番「寺町」からちょっと足をのばして南へ

阪神尼崎駅のバスターミナル脇に、木製の観光案内板がある。そこで紹介されている「寺町」は“尼の京都”と称されるほど歴史深い寺院が多数あるが、今回はその南隣に位置する「東桜木町」「西桜木町」に足を運んだ。

一見、普通の住宅が並ぶだけのようだが、観光地がそばにあるだけあって数々の工夫が見られる。塀にミニマムな鳥居をはめ込んだり、新築の家でも車庫を瓦葺きの門に見立てた風にしたり、小鳥のモニュメントが置いてあったり…調和の中にも、笑いの要素を盛り込むところはさすがアマである。

住宅街に突如として雑然とした空間が現れる。大正13年創業の老舗骨董屋「山田道具店」である。お土産に喜ばれそうなお手軽なものから尼信博物館で見たような古美術まで、品揃えは幅広い。

「寺町」と「桜木町」、いわばグリコの「キャラメル」と「おまけ」のような関係だが、「おまけ」のほうがわくわくする人は以外に多いのでは?

① 大正創業の骨董品屋さん
古美術から本格的な大工道具まである。一日中眺めていても飽きない。
② 小鳥もお出迎え
寺町の窯元「和田桐山」家の門の上には、愛らしい小鳥が顔を覗かせる。
③ 町にマッチな門構え
たとえ車が雨で濡れようとも寺町と調和させるための門構えにした努力が涙ぐましい。
④ 小さな鳥居を発見
鳩も通り抜けることのできないサイズの鳥居。
【アクセス】阪神尼崎駅から南へ徒歩3分

旅人が(独断で)つけた通信簿

観光地の住民は、町を誇りに思うがゆえに気取った人が多い…と思っていたが、桜木町の人たちは心暖かい。中には玄関に上がらせてもらい、歴史について語ってくれる人もいた。


旅のお土産

「小島功」のセクシー河童を思わせるイラスト入り徳利と「金」の字が眩しい盃。山田道具店で購入


尼の旅人:出口寛子(でぐちひろこ)
地図を片手にカメラを構える怪しい人間がいても優しくしてください。